古代から日本の象徴であり、信仰を集めてきた霊山、富士山。
数多くの神仏習合の社が建てられ修行と信仰の山として、歴史を重ねてきました。
明治の世になり、仏教的施設は破壊されましたが、各富士登山道の基点には浅間神社が祀られ今も信仰を集めています。
浅間神社は、全国に約1300社あるといわれています。
浅間神社について
浅間神社の「浅間:あさま」は、古代において火を吹く山=火山の意味だったそうです。
そのままの長野県の浅間山。九州の阿蘇も「浅間」から転じたともいわれています。
富士講が盛んになった江戸時代くらいから、訓読みの「せんげん」が使われだしたそうです。
ご祭神は、浅間大神。
木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)と同一とされています。
浅間大神(あさまのおおかみ)
=木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
・瓊瓊杵命(ににぎのみこと 天照大神の孫・木花開耶姫命の夫神)
・大山祇神(おおやまつみのかみ 木花開耶姫命の父神)
木花開耶姫命は、神様のなかで、一番美しい神様といわれています。
山の神様、大山祇神の娘で、旦那さまが天孫降臨の瓊瓊杵命さま。
神話のなかに、こんなくだりがあります。
結ばれて一夜で身ごもったので、ニニギ命は自分の子ではないのではと疑ってしまった。
サクヤヒメ命は、烈火のごとく怒り、身の潔白を証明するため誓約をして産屋に入ります。
「ニニギ命のお子なら何があっても無事に出産するでしょう」と、産屋に火を放ちました。
無事、3人のお子を出産されました。
とても美しいけれども、怒るととても恐ろしい
昔は、何度も噴火を繰り返していた富士山に、なぞらえたのでしょう。
富士山をぐるりと
富士山は、もともと山岳信仰として、崇められてました。
平安時代以降、富士山はしばしば噴火して麓(ふもと)に住む人々に被害を与え、その怒りを鎮めるため各所にお社が建立されたそうです。
平安末期からは、山岳修行者たちの修行霊場が盛んになりました。
そう、初めて富士登山した人物は、修験道の祖、役の小角だそうです。
今回は、そんな歴史を持つ3ケ所の浅間神社を廻りながら、四季折々さまざまな表情を見せる富士山をぐるりと1周していきますよ。
車がないとちょっと不便ですね。
ひと廻りするバスツアーの利用も、いいかもしれません。
東口本宮 冨士浅間神社の基本情報
所在地 | 静岡県駿東郡小山町須走126 |
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アクセス | ・JR御殿場駅より富士急行バス「須走・富士学校」「河口湖」行「須走浅間神社前」下車すぐ ・東名高速「御殿場IC」より国道138号線を富士山・山梨県方面へ約30分 |
駐車場 | あり |
主祭神 | 木花咲耶姫命 (このはなさくやひめのみこと) 大己貴命 (おおなむちのみこと) 彦火火出見命 (ひこほほでみのみこと) |
創建 | 大同2年(西暦 807年) |
摂社/末社等 | 社護神社・恵比須大国社・祖霊社 |
社格等 | 旧社格は県社 |
電話番号 | 0550-75-2038 |
ホームページ | https://www.higashiguchi-fujisengenjinja.or.jp/ |
東口本宮浅間神社
平安時代初め延暦21(802)年、富士山東側、須走の地が大噴火。
鎮めるための斎場を設けたのが、東口本宮の始まりです。
駐車場は裏手になります。
少し遠回りになりますが、おもての鳥居を目指しましょう。
東口本宮浅間神社 境内
境内図はこちら
浅間の杜の脇、「いざ鎌倉へ」の旧鎌倉往還を通って、「信しげの滝」の横が正面の鳥居です。
不二山
鳥居には、「不二山」の文字が刻まれており、他に二つとない素晴らしい山の意味です。
鳥居をくぐった右側に社務所があります。
こちらの黒色に、赤富士のご朱印帳はカッコイイです。
神門
神門の前の狛犬にご注目!「獅子はわが子を千尋の谷に突き落とす」という、「獅子の子落とし」の諺(ことざわ)をにならった親子の狛犬が3匹います。
神門の柱の部分には富士山を模したお神輿が2基納められています。
ご本殿
正面のご本殿にてご参拝。
ご神木の杉の木がそびえています。
向かって左側の浅間の杜にも「ハルニレの木」や「根上りのモミ」などの、パワーを秘めた木々もあります。
ご本殿左奥に延びる北参道は、そのまま須走口登山道に続きます。
参道沿いに、江戸時代からの富士講の富士山登拝記念の石碑が多数あります。
次は吉田口登山道の起点、北口本宮 冨士浅間神社へ
車で20分くらいです。
北口本宮 冨士浅間神社の基本情報
所在地 | 山梨県富士吉田市上吉田5558番地 |
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アクセス | 【電車】富士急行線「富士山駅」徒歩25分 又はバス「山中湖・三島・御殿場方面」乗車→「浅間神社前」下車 【車】中央道「河口湖IC」より3km、東富士五湖道路「富士吉田IC」より3km |
最寄駅/駐車場 | 富士急行線「富士山駅」/あり |
主祭神 | 木花開耶姫命、彦火瓊瓊杵命、大山祇神 |
創建 | 景行天皇40年(西暦 110年) |
摂社/末社等 | 諏訪神社、大塚丘 等 |
社格等 | 旧社格は県社、現在は神社本庁の別表神社 |
電話番号 | 0555-22-0221 |
ホームページ | https://sengenjinja.jp |
北口本宮浅間神社
境内図はこちら
県道から鳥居をくぐった杉並木の参道は見事です。
大鳥居手前右側に「角行の立行石」があります。
角行さんは、江戸時代の初め富士講の組織を作り上げた方です。
「大鳥居」は木製の鳥居としては日本有数の大きさとのこと。
「三国才一山」の額がかかってます。
隋神門をくぐった右側にご朱印の授与所があります。
浅間神社と、あとで述べる諏訪神社2社のご朱印をいただけます。
北口本宮浅間神社ご本殿
拝殿の前には、樹齢1,000年以上の「太郎杉」と「夫婦檜」のご神木がそびえています。
拝殿裏にご本殿、そしてかつてのご本殿が移築された、東宮、西宮とあります。
特に東宮は、かの、武田信玄が寄進した社殿です。
大塚丘
「西宮」の右手奥に富士山鳥居があります。
ここが吉田口登山道の「0合目」起点となる場所です。
7~8分登ったところに大塚丘があります。
日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際、戦勝祈願の遥拝をした場所とされています。
それが北口本宮の起こりとされています。
北口本宮の域内で最もパワーに満ち溢れている場所です。
ぜひ、行ってみてください!
諏訪神社
大鳥居右側に、諏訪神社があります。
元々、この地には諏訪神社があったそうです。
いわば、この土地の地主神様です。
拝殿前に、毎年8月26・27日に行われる吉田の火祭りの際、引き回される2基のお神輿が納められています。
(2020年は残念ながら中止となりました)
勇壮でありながらも、神秘的な雰囲気のお祭りです。
こちらも機会があればぜひ、行ってみてください!
富士山本宮浅間大社の基本情報
所在地 | 〒418-0067 静岡県富士宮市宮町1-1アクセス |
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アクセス | 【電車】JR身延線「富士宮駅」より徒歩10分 【自動車】東名高速「富士IC」より西富士バイパス経由で約20分 |
最寄駅/駐車場 | JR身延線「富士宮駅」/あり |
主祭神 | 【主祭神】木花之佐久夜毘売命 ※浅間大神と同一神 【配神】瓊々杵尊、大山祇神 |
創建 | 第11代垂仁天皇3年(紀元前27年) |
摂社/末社等 | 山宮浅間神社、奥宮 等 |
社格等 | 駿河国一宮、旧官幣大社 |
電話番号 | 0544-27-2002 |
ホームページ | https://fuji-hongu.or.jp/sengen |
富士山本宮浅間大社
境内図はこちら(PDF)
約1300社ある浅間神社の総社となります。
富士山本宮浅間大社 本宮と湧玉池
ご本殿は、二階建ての浅間造と呼ばれる建築様式です。
又、楼門前の「桜の馬場」だは、5月5日勇壮な神事流鏑馬式が行われます。
ご本殿の右側先に、湧玉池があります。
お水取も可能です。
山宮浅間神社
富士山本宮浅間大社がもともとあった場所元宮になります。
富士山そのものをご神体とする古の斎場で参拝するための社殿がありません。
ご神体の富士山そのままを拝する形です。
鳥居をくぐって参道を進んだところにあるのが、写真の「こも屋」という門のような建物です。
お賽銭はこちらで。
参道を進んで石段を登ったところに古代の祭祀場跡です。
(正月三が日だけ中に入れます)
富士山頂上浅間大社奥宮
富士山の8合目より上は、富士山本宮浅間大社のご神域となります。
富士山頂上久須志神社と富士山頂上浅間大社奥宮があります。
こちらでも御朱印は頂けます。
富士山ぐるりと浅間神社 まとめ
富士山は、季節によりさまざまな表情を見せてくれますが、静岡側、山梨側それぞれの場所でも変化に富んだ景観を見せてくれます。
雪や、春の桜、紅葉の季節・・、時間でも赤富士や紫色の富士山など。
天気次第の部分もありますが、楽しんでくださいね。
今回紹介した三社の浅間神社もおすすめのパワースポットです。
特に、北口本宮の大塚丘、富士山本宮の山宮浅間神社はぜひ訪れてみて下さい。
ではまた~~。