高い峰々が連なる日本のほぼ中央、長野県諏訪湖のほとりに、諏訪大社は鎮座します。
湖の南側に「上社本宮」「上社前宮」、北側に「下社秋宮」「下社春宮」の2社4宮からなる神社です。
全国に末社まで含めると1万社以上あるといわれている諏訪神社の総本社です。
諏訪大社の最大の特徴は、社殿の四隅にそそり立つ、6年に1度とり行われる御柱祭で引き出された『御柱』です。
パワーが凝集(ぎょうしゅう)されています。
諏訪大社には、いわゆる『拝殿』とそれに連なる『本殿』がありません。(前宮を除く)
かわりに左右2棟の「宝殿」があります。
諏訪大社の基本情報
所在地 | ・上社本宮:長野県諏訪市中洲宮山1 ・上社前宮:長野県茅野市宮川2030 ・下社秋宮:長野県諏訪郡下諏訪町5828 ・下社春宮:長野県諏訪郡下諏訪町193 |
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アクセス | 【電車】 ・上社本宮・前宮:JR中央本線「茅野駅」よりタクシー約5分 ・下社秋宮:JR中央本線「下諏訪駅」より徒歩8分 ・下社春宮:JR中央本線「下諏訪駅」より徒歩13分 【自動車】・上社本宮・前宮:中央自動車道「諏訪IC」より約2km ・下社秋宮・春宮:中央自動車道「岡谷IC」より約5km |
駐車場 | あり(無料) |
主祭神 | ・建御名方神(たけみなかたのかみ) ・八坂刀売神(やさかとめのかみ) ・八重事代主神(やえのことしろぬしのかみ)(下社配神) |
創建 | 不詳(神世) |
社格等 | 信濃国一宮 旧社格は官幣大社、現在は神社本庁の別表神社 |
例大祭 | ・御頭祭(上社例大祭)4月15日 ・お舟祭(下社例大祭)8月1日 |
電話番号 | ・上社本宮:0266-52-1919 ・下社秋宮:0266-27-8035 |
ホームページ | https://suwataisya.com |
ご神体とご祭神
下社の御神体は、『ご神木』(秋宮:イチイの木、春宮:杉の木)
上社は、背後の『守屋山』
古代日本人は山や大きな岩、大木に神が宿ると考えていました。
縄文時代?稲作が伝わる以前の風習を今に伝える神社です。
ご祭神は、
- 上社本宮:建御名方神(たけみなかたのかみ)国造りをされた出雲大社の大国主命(おおくにぬしのみこと)のお子様神(次男)です。
- 前宮、下社:八坂刀売神(やさかとめのかみ)建御名方神の奥様
- 下社配神:八重事代主神(やえのことしろぬしのかみ)建御名方神の兄神
上社は狩猟的、下社は農耕的な側面があるともいわれます。
諏訪大社までのアクセスなど
新宿駅から中央線特急で上社の最寄り駅 茅野駅まで約2時間10分、下社の下諏訪駅まで各駅に乗り換え手プラス10分。
駅から下社は10分くらいで歩いて行けますが、上社は30分はかかります。
上社と下社の間は車で30分かかり、なかなか不便です。
東京から車だと、休憩入れて3時間くらいです。
バスツアーの利用もいいかもしれません。
諏訪大社 秋宮
参拝の順序の決まりは、特にありません。
私のオススメは、下社⇒上社、最後に本宮を参拝するのがいいと思います。
この記事では、秋宮⇒春宮⇒前宮⇒本宮の順で、ご案内します。
秋宮の左側鳥居前に手水舎がありますが、鳥居をくぐった右側、社務所の手前の手水の利用がオススメです。
こちらはなんと、温泉の手水なのです。
全国的にもかなり珍しいお手水です。
寒さ厳しい冬期には、特にありがたいです。
神楽殿・寝入りの杉
ご朱印を受けられる方は、社務所に先に預けて参拝に参りましょう。
4社ともに社務所は境内入って右手側にありますので、ご朱印帳は先に預けてお参りします。
「境内は時計回りで」とありますので、それに従って。
鳥居向かいに寝入りの杉があります。
樹齢600年以上の杉の木で、紐三つ時になると寝入りいびきが聞こえるそうです!?
葉を枕に入れると安眠できるそうです。
神楽殿といえば、出雲大社のものが有名ですが、こちらもも立派な社です。
架けられているしめ縄は長さ13mで、日本一の長さです。
(太さ日本一は出雲大社)
神楽殿前の青銅正の狛犬の高さは1.7m。
こちらも日本一の大きさです。
幣拝殿(へいはいでん)
神楽殿の先に、幣拝殿があります。こちらでご参拝です。
社殿右側、一番太くて大きな(長さ約17m、直径1m、重さ10tを越えるモミの巨木)
・一之御柱から 時計回りに
・二之御柱 – 左手前
・三之御柱 – 左奥
・四之御柱 – 右奥 と4本の御柱が建てられています。
寅(とら)年と申(さる)年の6年ごと(7年目ごと)に、モミの木を山中から切り出し、各社殿の四方に建てて神木とする祭。
諏訪大社の最も重要な祭である。
御柱と同時に、幣拝殿奥の片方の宝殿を建て替え、遷座祭も行われる
伊勢神宮は20年ごとの遷宮ですが、諏訪の宝殿は14年ごとの建て替えとなります。
宝殿奥にご神木のイチイの木がそびえています。
秋宮から春宮へ
2月と8月、下社の神様は引っ越しをなさいます。
夏至から冬至が秋宮で、冬至~夏至に春宮滞在です。
それにならって、春宮まで歩いていきましょう。
周辺にはお土産物屋さんや、おそば屋さんがあります。
日帰りなら、このあたりで昼食をどうぞ。
お土産としては、秋宮からすぐの新鶴本店さんの『塩羊羹』がオススメです。
一帯は下諏訪温泉街でもあり、遊泉ハウス児湯や旦過の湯などの共同浴場があります。
柔らかくてとてもいいお湯です。足湯もありますよ。
諏訪大社 春宮へ
秋宮から春宮まで、旧中山道を歩いて15分くらいで到着します。
春宮の社殿は、ほぼホボ秋宮と同じ造りです。
それもそのはず、春宮と秋宮は同じ設計図、図面をもとに、2人の棟梁が競い合って建てたとの事。
競争の結果は、春宮の方が1年早く1780年に完成したそうです。
鳥居をくぐって正面に神楽殿、奥の幣拝殿でごさんぱいです。
奥にご神木の杉の木があります。
万治の石仏
春宮の左手側に降りたところに、砥川(とがわ)の流れがあります。
中洲は「浮島」と呼ばれ、どんなに川の水が増えても、けっして沈まないといいます。
こちらは諏訪大社・下社7不思議の一つとされています。
浮島には小さな御柱を立てた、お祓いを司る祓戸大神(はらえどのおおかみ)を祀る浮島社があります。
少し丘を登ったところに、かの岡本太郎氏が「これは素晴らしい」と絶賛したという、万治の石仏さんが鎮座しています。
お参りの仕方は、そばの看板にありますのでご参考に。
芸術を感じてください!
御神渡 冬期、結氷した諏訪湖の氷が寒暖差で、バリバリ割れる
高野の耳裂鹿
御頭祭で鹿の頭を供えたが、必ず1頭は耳の裂けた鹿がいた
宝殿の天滴
晴天が続いても上社宝殿の屋根の穴からは1日3粒の水滴が落ちてくる
御作田の早稲
御作田は6月30日に田植えをしても7月下旬には収穫できた
根入杉
秋宮の大杉は丑三つ時になると、枝を垂らして鼾を掻いて寝た
湯口の清濁
八坂刀売命が、綿を置いた場所から温泉が湧き出した
五穀の筒粥
春宮・筒粥殿の祭事、炊いた小豆粥で1年の吉兆を占う
浮島社
諏訪の七不思議:簡単にまとめました。上・下社で重複があり実際は10話くらいあるそうです。
諏訪大社 前宮
諏訪湖岸沿いに車で30分、前宮に向かいましょう。
4社のなかで一番最初に建てられた、最初に神様が降臨された地とされています。
一番狭い神社ですが、山と木の素晴らしい雰囲気に満たされています。
4宮のなかで一番のオススメです。
前宮だけ本殿があります。そして前宮だけ4本の御柱すべて見ることができ、すぐ近くまで行けます。
下社の御柱は、ほぼ丸い柱のままのですが、上社のは裏側が削られています。
これは、下社は御柱祭の1年前に切った材木を使うのですが、上社は直前に伐採した重い御柱を引き廻すためです。
諏訪大社 本宮
前宮から歩くと約20分。
験道を進んで大戸鳥居をくぐったところが北参道で炉土産物屋さんが数軒あります。
石段を登って、さらに鳥居をくぐったところに御柱一の柱があります。
さらに登ると幣拝殿ですが、歩くのが苦痛でなければ、左側に大回りしましょう。
80mくらい進と青銅の鳥居が見えてきます。
かつては、前宮から延びる東参道正式な参道でした。
布橋
かつては身分の高い方しか通れなかった布橋を渡って参拝に向かいます。
幣拝殿の前に立つと正面が、守屋山です。
山のパワー、感じますね。
諏訪大社 まとめ
交通手段が限られるので自家用車がないと不便ですが、木と山と湖に囲まれた諏訪大社は独特の木に包まれた神社です。
お参りしたあとは、とても優しい気持ちに包まれます。
毎年8/15に諏訪湖花火大会も開催されます。
ぜひ、行ってみてください!